http://www.ustream.tv/recorded/10923612
「料理長!本日の日替わりコースのメインディッシュ、ししとうが足りません」
「なに?じゃあ、シェフの気まぐれコースの、赤唐辛子を使え。」
「いえそれもありません。そればかりか、いつだってシェフは気まぐれコースの、青唐辛子もありません。」
「なんだと!?それじゃあ、
シェフだってそんなにいつもいつも気まぐれじゃないんですよコースのハバネロはどうだ?」
「それも無理です。のみならずあろうことか、
気まぐれじゃなくてコレほんとまぐれでできちゃったよコースのハラペーニョもありません。」
「なに?ハラペーニョまで?」
「そう、ハラペーニョまでです。」
「それは困ったーにょ。」
「どうしますかーにょ。パプリカならありますが。」
「辛さが命のうちの料理、それに今日は特に辛さにうるさいお客様がいらっしゃってる。
うちの辞書にごまかしという文字はない。ここは正直に謝ろう。」
「そうですね、うちの店は辛さと正直さがうりですものね。一緒に謝りにいきます。」
「よし、いくぞ。ローリング土下座だ」「はい。ローリング土下座ですね。」
「お客様!もーしわけありませーん!」
ゴロンゴロンゴロンゴロン
「申し訳ありませーん」「申し訳ありませーん」
ゴロンゴロンゴロンゴロン
~「説明しよう。ローリング土下座とは、謝罪の言葉を叫びながら前方へと回転を続ける、土下座の最終進化系と言われている幻の奥義である。」
「申し訳ありませーん」「申し訳ありませーん」
ゴロンゴロンゴロンゴロン
「しぇ、しぇふ、お客様たちが。」
「おおー皆さん立ちあがって涙をながしていらっしゃる。」
拍手
客「素晴らしい!なんと素晴らしい☆私たちはこの土下座が見たくてこの店に通っているのです!
その証拠に、ほら!」
助「あ!なくなったししとうにハバネロ、ハラペーニョまで!」
シェ「ああ!ハラペーニョまで。」
助「お客さんたちが持ってらっしゃる。しかもすこしかじってある。」
客「いくら芸術的な土下座が見たいからと言って、大切な食材を先にいただいてしまったこと、
本当に、すまなかったと思ってる。」
「すまなかったー」「すまなかったー」
ゴロンゴロンゴロンゴロン
「いや、こちらこそ、申し訳ありませーん」「申し訳ありませーん」
ゴロンゴロンゴロンゴロンゴロンゴロンゴロンゴロン・・・
~「こうしてスカイレストランは、今日もにぎやかに回り続けているのであった。つづく。
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